ちょっとだけ、北国探訪
 行事の合間を縫って、駆け足で旭川周辺の観光にご案内いただきました。
 6月初めの北海道は、ラベンダーの季節にはまだ少し早いようでした。でも、都心の雑踏を見慣れた大阪人にとっては、風光明媚な富良野や層雲峡などの観光スポットもさることながら、北の大地の、優しく懐の深い日常の風景そのものが感動の連続…。ゆったりと流れる時の中で、心身が静かに癒されていくのを実感しました。
■富良野『北の国から』のロケ地を訪ねて
 まずは定番観光から。富良野市麓郷の森にある、ドラマ『北の国から』のロケ地へ。
 (左)「拾ってきた家」、(中)「石の家」。そして(右)は標高500mの麓郷展望台からの眺望です(曇り空が少し残念)。人物中、一番背の高い女性は「旭コレ」の公募モデルにウォーキング指導をした、旭川出身のモデル・川上祐佳さんです。
■幸せそうな動物たち
 大阪を旅立つ直前、偶然みたTV番組で、日本最北端の動物園「旭山動物園」は、自然環境に近い形で動物を飼育している日本有数の園だと知りました。ゆったりとして緑豊かな園内は、一見、動物園というより、公園のようでしょ?
 ライオン、キリン、チンパンジー、アザラシ、ペンギン…etc.
 特に珍獣ばかりがいるわけではありませんが、広〜い園内で"ヒマ〜"そうに過ごしている動物たち、本当に幸せそう。写真は、寝ぼけ眼のギンギツネ(解りにくくてスミマセン)です。
■日常の風景
 ホテル最上階のラウンジから眺めた旭川市の中心街。
 遠くの山々まですっきりくっきり見渡せます。夜の街の灯は、大阪の10分の1もないように思えました。ヒートアイランドという言葉はここにはありません。
 この長〜い建物、何だかおわかりですか?
 遠く残雪を冠した山をバックに、ポツンと…いや悠然と建っているのは、郵便局なんです。現地の方には当り前の風景が、都会人にとっては妙にフォトジェニックです。
 どこまでも直線の道。100mおきくらいに建つ下向きの赤い矢印の道路標識は、積雪の時に道路の両端を示すものだそうです。冬の自然の厳しさを物語っています。最近、エゾシカの異常繁殖のため、所によっては『エゾシカ飛出注意』の標識もあるそうです。
■ああ、大自然…
 大雪山国立公園 層雲峡の「大函(おおばこ)」。石狩川を挟んで左右に垂直に聳え立つ柱状節理(溶岩が冷却する際に形成)は、長さ24km、高さは160mに達するそうです。傷心の一人旅 (あれ、違ったか?) …激流を眺めるうち、危うく流れに吸い込まれそうになりました。
 同じく層雲峡の柱状節理の断崖を落ちる落差90mの「流星の滝」。
 近くで、幾つもの流れが糸を引くように落ちる120mの「銀河の滝」と一対で「夫婦滝」と呼ばれているそうです。(それにしても、この看板、大きすぎるような気がします…)。
 すぐ近くの氷の美術館「アイスパビリオン」。
 入口で防寒着を借りて、+15℃から、-20℃、-41℃の極寒まで、真っ白な世界を体験。寒いというより「痛い」という感覚です。ダイアモンドダストとクリオネを生まれて初めて見ました。
■いつかきっと…
 旭川を訪れる大阪人はまだまだ少ないようで、「大阪の人を見かけるのは、ロシア人より希だ」とか、「大阪弁を聞くのは、自衛隊の中ぐらいのもの」と、冗談のような"真実"を聞かされました。それが証拠に、行く先々で「本当に大阪の方ですか?!」と驚かれ、続いて「遠い所から、ようこそ!」と、心からの歓待をいただきました。

 「旭コレ」の顧問を務める旭川市議会議員さんのご子息T君(8歳)は、初めて接する大阪人と、初めてナマで聞く大阪弁が可笑しくてたまらない様子でした。
 「ちゃうねん」「ほんまや」「見てみ〜」…テレビのお笑い番組でしか聞かない"漫才弁"で話しかけられて、8歳の子供さんが笑いをこらえるのは、さぞ大変だったでしょう。あるいは、異星人と話すような感覚だったのかもしれません。お蔭で、T君とは、地域と年齢差(?)を超えた会話が弾み、なぞなぞやしりとりバトルも大いに楽しませていただきました。

 旭川はもちろん、北海道を訪れたのは今回が初めてでしたが、たった3日間の滞在でも、豊かな自然と人々の温かい心に触れ、清々しい空気を大阪まで持ち帰ることが出来ました。ジャガイモ・アイスクリーム・ラーメン…美味しいものも一杯でした。
 近い将来、旭川のあちこちで、いつも大阪弁が聞こえる日がきっと来ると信じています。(あ、ひょっとして、ご迷惑かも…??)
川嶋みほ子

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