第3回 食育と健康
    日本人にとって和食が最適の健康食

 2月12日配信の小泉内閣メールマガジンに、『数字で見る日本』という項目があり、この日の数字は「84%」であった。何を表す数字かと目を通すと、朝食を必ず食べる小学5年生の割合だという。
 朝食を全く食べないか、不規則にしか食べない子供が16%もいるとのこと。「食べる時間がない」「食欲がない」がその理由の80%近くに上っている。

 食事が動物の体を作り上げる原料であることは明白な事実であり、何を、どのように食べているかは、その人の肉体的健康にも精神的健康にも大きな関わりを持っていることが各方面の研究者によって指摘されてきた。
 食生活が乱れている子供の割合16%という数字は、決して無視できない数字だ。次代を担う子供達によりよい食事の習慣を身につけさせることは、大げさに言えば日本社会の健康度をも左右しかねない。

 世界中どの民族も、この地球上に発生以来、それぞれの環境にもっとも適した食事を工夫し、生き延びてきた。従って何をどのように食べるのがもっともいいかは、基本的に自然環境と歴史の違いによって決まってくるのであり、世界共通のレシピがあるわけではない。

 現在、アメリカ主導のグローバリゼーションの流れの中で、民族文化の特色が失われつつあるが、食習慣にもこの影響が明らかに及んでいる。太平洋戦争敗戦後のアメリカによる占領支配の下、その教育文化政策によって日本民族の精神的骨抜きが図られ、食料援助をきっかけにしたパン、牛肉、牛乳、乳製品が日本人の食習慣と体を変えてきた側面を見逃すわけには行かない。
 最近、狂牛病や鳥インフルエンザの問題が再燃し、牛肉、鶏肉の輸入が禁止され、国民生活に大きな影響が出ているが、日本人の健康増進という観点からは、これらが大量に輸入してまで摂取しなければならない食材ではないことを知るべきだ。
 健康と食事との関連性という点では、癌と所謂生活習慣病の予防が大きな課題の一つであるが、これらの病気の予防には食事の改善が不可欠である。

(イラスト:Yurie Okada)

 それでは、日本人は何を食べればいいのか。一口で言うと、日本人には当然ながら和食が合っている。和食の特徴を簡単に説明すると、穀物、大豆、野菜そして魚をバランス良く摂取することにより旺盛な生殖能力を維持し、小粒でもぴりりと辛い頑強な体を作り、癌になりにくい体質に変えてゆくというものだ。子供達にこのような和食の習慣を身につけさせることが、食育の中心課題の一つになって欲しいと思う。

 牛乳、乳製品、肉食がなぜ良くないか、もっとお知りになりたい方には、次のホームページがお勧めだ。

<生活習慣病を予防する食生活>
http://www.eps1.comlink.ne.jp
/~mayus/

(February 2004)

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